氷
滅多に買わないけれど
夏に一度のぜいたく
透明な氷で 自分で淹れた
アイスカフェオレを飲む
突然 子供の頃
買ってもらった絵本を思い出す
確かこんな内容
『父親のお土産が “南極の氷”で
女の子はがっかりしながらも
その氷でジュースを飲むと
妖精のような南極さんが現れ
タクトを振っては 波や流氷やらの
自然のオーケストラが聴こえる』
氷の上の南極さん?
検索したが出てこない
挿し絵は思い出せるのに
題名は忘れてしまった
カランコロン と
音を立てる 透明な氷
夏が終わってしまったかのような
涼しい朝。