父の鞄
手放すか 否か 即決できないものを
入れておく 一時的な置き場所
風呂敷やビニール袋にしていたが
最近はこの鞄にまとめている
父が勤めている時 出張用に
千円で買ったらしい
長方形に自立して 入れやすく
以前から 日用品入れに 拝借していた
姉は中学高校の修学旅行に
これを使ったという
六つ年下の私は 父母が
どんな苦労をしていたかなど
考えもせず 欲しいものはねだり
我儘に育っていた頃
姉はそんな年頃から
当たり前に我慢できる
ある物を使う人だった
私はと言えば ようやっと
当たり前のことを
意識できるようになってきた
捨てる 手放すばかりではなく
これから もっと
“いかに有るものを使うか”も
考えていこう。